俺たちのSpace Oddity - 筑波宇宙センターJAXA

宇宙が好きで。
子供の頃は、いつか未来が来て自分も宇宙に行けるって信じていた。
もう人生の折り返しを生きていると、無理なんだろうってことはわかっている。
それでも、こんな途方のない夢を見ていたほうが人生は楽しいだろう。
春休みに水戸に来ていた姪。
小学校を卒業した時には、仮の親気分も終わりかと寂しくて仕方なかった。
彼女は中学生になっても、こうして休みの度に水戸に来てくれている。
東京から一人で電車に乗って…
姪や甥と居る時だけは、いろんな夢を見ていたい。
家にあるマンガ『宇宙兄弟』をすぐに読破した姪っ子。
ふと思い立ち、急遽つくばにある宇宙センターJAXAに連れて行った。
母も亡き父と何度も行って…
と母は言ってたけど、母も新しくできた豪華でロマンに溢れた展示館を見るのは初めてだったそうで。
「あぁ、お父さんに見せたい。お父さん、すごく喜んだんだろうなぁ…」
そう呟きながら嬉しそうに寂しそうに夢中になって見学していた。
父も母も宇宙が大好きで。
ずいぶん前の流星群の降る夜。
屋上で、父母と僕とで毛布にくるまって横になり流星を見続けた夜は一生の思い出だ。
今の嫁と、大昔に富士五合目まで流星群を見に行ったこともあった。
僕にとって、宇宙は様々な思い出とロマンに溢れている。
姪にお願いしたんだ。
将来、宇宙飛行士になって記者会見で今日のことを言ってくれって。
宇宙を見れそうもない僕の夢を叶えてくださいって。
「叔父の夢が今回宇宙に行く私の道となりました」って。
冗談であり、本気であり。
今13歳の姪には無限の未来が待っている。
総理大臣にだって医者にだって映画監督にだって、そして宇宙飛行士にだってなれる。
僕は夢を見続けて大人になってしまった。
叶う夢、叶わない夢、今では全て理解しながらも、それでも夢を見て夢を描いて生きている。
今じゃなきゃ見れない風景だって想いだってたくさんある。
後悔とかじゃないけど… 本当に若さが羨ましく思う歳になった。
子供がいれば、夢を子に託して人は本当の意味で大人になっていくのだろう。
姪の姿を見て、ふとそんなことを思った。
俺たちのSpace Oddity。
誰にだって未来は広がっている。
夢を忘れるぐらいなら、生きている意味なんてないよね。




以下は去年の4月にドロンと友達のリーベ家族と行った時の写真ね。
大震災の時はお腹にいた子もこんなに大きくなった。
あの頃は子犬のようだったドロンもリーベも、すっかりお姉さんに…なってないかな?
時の流れは泣けてくるぐらいに早い。
「こんな時が永遠に続けばいいのに…」
そう思う時が多くなった。










【Space Oddity】
魂が震えた。
大好きなデヴィッド・ボーイの曲『Space Oddity』が宇宙ステーションで歌われた。
この人はいろんな苦難を乗り越えて、無限の時間と自由を犠牲にして…
恐ろしい程の時間を星と地球だけを見ながら過ごし…
そうして夢を叶えたんだろう。
現実に撮影されたこの奇跡の映像。
俺もこんな経験が出来たのなら、それこそ“死んでもいい”って思うかもね。
俺だったら、これが『LOST』のエンディングだ。
20130416 20140321 筑波宇宙センターJAXA
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